精神の障害について(②統合失調症)
今回は、精神の障害の内、統合失調症に関する事項をまとめてみました。
統合失調症とは?
統合失調症は、幻覚、幻聴、妄想、まとまりを欠いた思考や行動、意欲低下などの症状が出る精神疾患です。症状は、「陽性症状」と「陰性症状」に分けられます。
【主な陽性症状】✔健康な時にはなかった状態が現れる
- 幻覚、幻聴
- 被害妄想(誰かが陥れようとしていると思い込む)
- 関係妄想(何でも自分に関係があると思い込む)
- 注察妄想(見張られていると思い込む)
- まとまりのない会話、行動
- 突然興奮して叫ぶ など
【主な陰性症状】✔健康な時にあったものがなくなる
- 意欲、集中力の低下
- 無表情、喜怒哀楽がなくなる
- 周囲に関心がなくなる
- 人と関わらなくなる、引きこもる
- もの忘れやミスが多くなる など
統合失調症の原因は、脳に情報を伝えるドーパミンなどの神経伝達物質のバランス障害ともいわれていますが、今のところ明らかにはなっていません。
発症は若年期から青年期が多く、早期発見と早期治療、継続治療が大切とされています。
「統合失調症」の障害の程度と障害の状態の例示
統合失調症の障害の程度(1~3級)と障害の状態は、認定要領に次のとおり一部例示と認定あたって考慮すべき点の記載があります。
(障害認定基準第3第1章第8節/精神の障害より一部抜粋、要点を編集しています)
認定要領では、統合失調症は、予後不良の場合もあり、国年令別表・厚年令別表第1に定める障害の状態に該当すると認められるものが多いが、病気にかかってから数年ないし数十年の経過中に症状が好転、あるいは逆に急激に増悪し、その状態が持続することもあるので、統合失調症として認定を行うものに対しては、発病時からの療養及び症状の経過を十分考慮する。とあります。
※上記の他、労働に従事している場合の日常能力の判定については、うつ病の場合と同様ですのでそちらの記事をご参照願います。(精神の障害について(①うつ病))