精神の障害について(④てんかん)
今回は、精神の障害の内、てんかんに関する事項をまとめてみました。
てんかんとは?
てんかんとは、大脳の神経細胞の異常な電気活動(放電)によって「てんかん発作」が繰り返し起こる病気です。
【原因】
てんかんの原因は、出生時の低酸素脳症、遺伝子異常、頭部外傷、脳出血、脳梗塞など、さまざまな脳疾患によるもの(症候性てんかん)の他、検査をしても異常が見つからない原因不明のてんかん(突発性てんかん)があります。
【人数・年齢層】
てんかんのある方は日本で60万人~100万人と言われており、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢で発症しますが、日本てんかん協会のHPによると3歳以下の発病がもっとも多く、80%は18歳以前に発病、最近では脳血管障害などによる高齢者の発症率が高くなっています。
【発作】
てんかん発作は、部分発作(焦点発作)、全般発作(意識が最初からなくなる)、未分類てんかん発作などに分類され、発作の症状はさまざまです。(意識を失う、全身が硬直、手足のけいれん、突然反応がなくなる、光が見える、匂いがするなど)
【治療方法】
てんかんの治療方法としては、抗てんかん薬による薬物療法が主流となっています。てんかんの原因を除くものではありませんが、薬の服用により「てんかん発作」を起こりにくくする効果があります。薬物治療の他に、脳外科手術による外科療法、迷走神経刺激療法、食事療法などの方法があります。
てんかんの障害年金等級について
てんかんの障害の程度(1~3級)と障害の状態は、認定要領に次のとおり一部例示の記載があります。
こちらでは、発作の種類と頻度によって障害の程度が区分されていることが分かります。
障害の程度 | 障害の状態 |
1級 | 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの |
2級 | 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの |
3級 | 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が制限を受けるもの |
(注1)発作のタイプは以下の通り
A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
(注2)てんかんは、発作と精神神経症状及び認知障害が相まって出現することに留意が必要。また、精神神経症状及び認知障害については、障害認定基準第3第1章第8節/精神の障害2認定要領「B 症状性を含む器質性精神障害」に準じて認定すること。
てんかんの障害年金の認定について
てんかんの障害年金の認定にあたって上記のように一部例示はありますが、他にどのような点がポイントになるのでしょうか?
認定要領の記載を抜粋(一部要約)してみます。