20歳前傷病による障害基礎年金とは

国民年金への加入義務がない20歳前に初診日がある傷病について支給される障害基礎年金のことをいいます。通常障害年金の要件である保険料納付要件が問われません。（既に就職して厚生年金に加入している場合は、障害厚生年金の請求となり保険料納付要件が必要です）

知的障害など先天性の障害をお持ちの方（生まれた日が初診日となります）

注意！
「発達障害」は、初めて医療機関を受診した日が初診日となります。また、頭部外傷や高熱が原因で知的障害となった場合も原則初めて医療機関を受診した日が初診日となります。

• 20歳前に初診日のある方
• 障害認定日に1級または2級の障害状態にある方（障害認定日については下記参照）

障害認定日と請求時期

20歳前傷病による障害基礎年金の障害認定日は、

①初診日から1年6か月経過した日が20歳に達した日より前の場合
障害認定日＝20日に達した日（誕生日の前日）

②初診日から1年6か月経過した日が20歳に達した日より後の場合
障害認定日＝初診日から1年6か月経過した日

上記の障害認定日に1級または2級の障害状態にあるときに障害基礎年金の請求ができます。

初診日証明手続きの簡素化

20歳前に初診日がある障害基礎年金の請求については、初診日の証明手続きが簡素化できる場合があります。
具体的には、下記の①、②の場合です。

①複数の医療機関を受診している場合で、2番目以降に受診した医療機関の受診日が、18歳6か月前であることが確認できる場合。

②複数の医療機関を受診している場合で、2番目以降に受診した医療機関の受診日が、18歳6か月～20歳到達日以前で、20歳到達前に傷病が治った（症状が固定した）場合。※治った（症状固定）日は18歳6か月以降でもかまいません。

※①、②ともに2番目以降に受診した医療機関の受診日以前に厚生年金の期間がないことが条件です。

支給制限になる場合

20歳前に初診日がある障害基礎年金には、下記のような支給制限、調整がありますので注意が必要です。

• 所得による制限
受給者本人の前年度所得が一定の額を超えた場合、その年の10月から9月分までの年金が全額または半額停止となります。
※下記の前年度の所得金額は、扶養親族がいない方の金額です。扶養親族がいる場合は、扶養親族　の種類、人数に応じて所得制限限度額に加算されます。

（障害等級1級の支給制限／昭和31年4月2日以後生まれの方の場合）

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前年度の所得	支給停止	支給金額
4,721,000円超	全額停止	–
3,704,001円から4,721,000円	2分の1停止	510,000円
3,704,000円以下	全額支給	1,020,000円

（障害等級1級の支給制限／昭和31年4月1日以前生まれの方の場合）

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前年度の所得	支給停止	支給金額
4,721,000円超	全額停止	–
3,704,001円から4,721,000円	2分の1停止	508,563円
3,704,000円以下	全額支給	1,017,125円

（障害等級2級の支給制限／昭和31年4月2日以後生まれの方の場合）

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前年度の所得	支給停止	支給金額
4,721,000円超	全額停止	–
3,704,001円から4,721,000円	2分の1停止	408,000円
3,704,000円以下	全額支給	816,000円

（障害等級2級の支給制限／昭和31年4月1日以前生まれの方の場合）

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前年度の所得	支給停止	支給金額
4,721,000円超	全額停止	–
3,704,001円から4,721,000円	2分の1停止	406,850円
3,704,000円以下	全額支給	813,700円

• 労災保険等の年金との調整

労災保険や恩給の年金等を受給しているときは、障害基礎年金の年金額から調整されます。

• 海外に移住したときの制限

海外に居住した場合は、年金が全額支給停止となります。

• 矯正施設に入所したときの制限

刑務所等の矯正施設に入所した場合は、年金が全額支給停止となります。（但し、有罪が確定していなければ支給停止にはなりません）